なつかしのゲームブック
僕が小学生だった80年代、ゲームブックが流行っていました。
ご存知の方も多いと思うんですけど、
あなたの前には道が2本伸びている。右の道は丘を下りながら谷底の村に続いている。左の道は上り道で丘の向こうへ続いている。
→右の下り道へ進むなら239へ
→左の上り道を進むなら49へ
みたいに、文章の途中で選択肢が現れて、選択によって話が変わる本です。
本格的な物になると体力や攻撃力や持ち物などをメモしながら進める必要があったり、敵との戦闘にダイスを降る必要があったりします。
80年代はゲームブックの最盛期で、当時はドラクエやドルアーガの塔など、コンピューターゲームのゲームブック化が盛んに行われていたし、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のゲームブックとかもありました(←これ、結構面白かったんですよ!)。
僕も小学生の頃けっこう好きで沢山読んだのですが、一番印象に残っているのはやっぱりソーサリーシリーズですね。
作者はスティーブ・ジャクソンというイギリス人で、彼の「火吹き山の魔法使い」が本格的なゲームブックの元祖と言われています。
最近ふと思い出して調べたら、訳者が変わって再刊されているのを知り、思わず買ってみました。
このゲームブックの何が印象的だったか書いてみたいと思います。
全4巻、合計2000パラグラフ
ゲームブックで分冊物は割とあった気がするんですけど、全4巻というのはあんまり無かった気がします。
子供の頃、4冊全て持ってたんですけど、その厚さにウットリしました。
アドベンチャーシート
冒険中のステータスを紙にメモしながら遊ぶのですが、この紙を見た時点でワクワクしましたね。
最初に技術点、体力点、強運点をダイスを降って決めます。ようするにキャラメイクです。納得できる数字がでるまでやり直したりしましたね(笑)
48種類の魔法が登場。しかもゲーム開始前に暗記しなければならないシステム!
- 暗記などせずに魔法書を持ち歩けばよい?門外不出の魔法書を輩に奪われたらどうするんだ!
- 怪物にふいをつかれているのに、一番いい術を探すために魔法書をめくり始める時間などあるはずもない!
という見事な設定です。
巻末に魔法書が挿絵付きで掲載されていて、これを読んでるだけでワクワクしました。
リアルでダークな世界観
当時はドラクエが流行ってて僕も好きだったんですけど、当時のドラクエの世界ってほのぼの+シンプルで、要するに勧善懲悪なんですよね。なので基本的には正義に基づいた行動を取るわけです。
ところがソーサリーでは正義感を発揮してばっかだとバカを見るケースがあったりして、場合によっては嘘をついたり騙したり盗んだりするのが有効だったりします。
これは衝撃的でした。
おどろおどろしい挿絵
日本のゲームブックの挿絵はアニメ調・漫画調な事が多いんですけど、ソーサリーは海外製だけあって一線を画しています。
それが小学生心に「本物感」があって好きでした。
ちなみに上の挿絵はモンスターや敵の絵ではなく、木から降りれなくて困っている老人の絵です。
そんな感じで、小学生の僕の心を掴んだソーサリーシリーズですが、数十年ぶりに手に取り巻頭の説明書や巻末の魔法書を読んでみても「おおー面白そうじゃん」って思いました。ぜんぜん色褪せていません。
秋の夜長、魔法48種を暗記してからカクハバード(冒険の舞台の地名)へ旅立ちたいと思います(笑)